数年前迄、「ほぉ~、パースを手で描いておられるんですか?!。」
と言われていましたが、
ここ最近は、それを言う人もいなくなりました。
建築界ではアナログパース手描きは、
「生きた化石」的な見方をされていますが、
音楽界もどうやら似た様な感じらしい。
あの山下達郎氏がアナログレコーディングで、
そのノウハウの頂点を極めた時、
既に廻りはデジタル化され、
今迄の技術や手法は使い物にならなかったそうです。
ぴあ(2012.9.26 ベスト・アルバムをリリースした ミュージシャン・山下達郎 ぴあ別冊/山下達郎"超"大特集号)
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(C)ameどういう事かと言いますと、
アナログでは音と音を重ね合わせると、
厚みが増してふくよかな感じが出るのに対して、
デジタルではいくら重ね合わしても、
薄っぺらな感じで混ざり合わないらしい。
音楽の達人が言うのだから、
間違いはないと思います。
手描きパースもアナログの極みの様な物なので、
デジタル化の波をもろに受けました。
まず、需要と供給のバランスで、
画材や道具が無くなりました。
クレセントボード310番、
良質水彩紙
ロットリングペン、
面相筆、
エアブラシのピースコン、
T定規、
カラーパントン(オーバーレイ)
ピーアンドエルの道具入れ
1.いろいろなところで買い求めた筆とトレーシングペーパー
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(C)ame2.ロットリングペンとエアブラシ、掃除セットなど
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(C)ame3.事務所の家具の組み立て、はり金細工等で大活躍のペンチ類
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(C)ame4.今では貴重な高級水彩紙
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(C)ame知ってる人も少なくなって、
聞いた事も使った事もない人ばかりでしょうが、
画材屋さんのこれらのコーナーは、
年々片隅に追いやられています。
山下達郎氏も、
一時は無くなって行くアナログテープや機材を買い込んだようですが、
いずれは無くなって行く運命には逆らえず、
どうすればデジタルとつき合って行く方法はないかと、
試行錯誤したようです。
これらのアプローチが、手描きパースのデジタル化に、
すごいヒントを与えてくれました。
入り口と出口、つまり頭で考えた物を描いて
、目で見ると言う事は変わらなければ、
デジタルだろうがアナログだとかは関係のない話で、
道具を使い分ければ良い事なのです。
周辺機材をマニュアルには書かれていない使い方をしながら、
少しずつノウハウを積み上げて、
やっと満足のいく作品が出て来ました。
馴れてくると、データの扱いの便利さに、
「もっと早く気付けば良かった。」
と、反省をすることもあり、
今日に至っています。
無くなって気がつくこともあれば、
それによって、新たに出来る事もあります。
時代の変化には逆らえませんが、
変化をうまく取り入れられれば、
これほど楽なツールはありません。
手描きの一筆緊張感、達成感を忘れなければ、
後に続く人達にも道は示せそうですね。
fukazawa